生活習慣病の改善には体重を減らすことが効果的です。それには運動より食事制限の方が効果が出るとお話ししました。しかし、長期的に健康を維持する観点から見た時には運動が必要で食事制限だけでは限界が来ると考えています。運動は生活習慣病だけでなく、心臓病・脳卒中・がん・うつ・認知症などのリスクを下げることも分かっています。
では、なぜ運動が大事なのでしょうか?様々な理由があるのでしょうが、運動にしかないプラスの効果があるからだと考えています。まず筋力の維持があります。運動をしないと骨格筋が弱ってしまい、筋肉が骨を支えきれなくなってきます。姿勢の悪化を招き、様々なところに悪影響が出てきます。特に男性に比べ女性は筋力が弱いので、悪影響が出やすいです。その他には心拍数が上がり心臓が鍛えられること、血流がよくなることが挙げられます。
ところが運動はやる気だけでなく時間も作らないといけないので、非常にハードルが高いです。しかし、ここで無理に頑張る必要はありません。辛いことをやれば続かないので意味がありません。一生継続するための準備が大事です。外に出なくても、いつでも、仕事の合間でも出来る、ストレッチやラジオ体操でも十分な運動になります。まずは、時間や場所の制約がない運動から始めることを強くおすすめします。私自身もここから始めました。
そういう時に身体活動の強さを表すメッツ(METs)を調べると助けになると思います。色々な運動の強さが数字で出てくるので分かりやすいです。厚生労働省は3メッツ以上の運動を毎週60分行うことを推奨しています。参考までに、ラジオ体操第1が4メッツなので、毎日約10分やれば目標達成です。
消費カロリー(kcal)=メッツ×体重×時間×1.05で計算することもできます。
体重60kgの人が1時間、普通の歩行(3メッツ)をすると、3×60×1×1.05=189kcalを消費したことになります。もちろん年齢や気温、湿度、風など色々な要素がありますので、この計算通りにはなりませんが目安としては十分です。消費カロリーを数値化することはダイエットの目安にもなりますし、何より継続するモチベーションになります。