みなさん、こんにちは。薬剤師の佐藤です。
血圧が140/90以上になると高血圧と診断されることは認知されてきていると感じます。血圧は簡単に測れますが、非常に有用な数値です。
高血圧の原因は様々な要因が重なって起きていることが多く、原因が特定できない本態性高血圧と診断されることがほとんどです。しかし、だからと言って原因が不明なわけではなく、食事・肥満・運動不足・煙草・ストレスなどであることは分かっています。
血圧は全身に血液を巡らせるために心臓から押し出す圧力のことです。つまり、心臓から強く血液を押し出せることは良いことで何も問題はありません。例えば、激しい運動すれば一時的に180/100くらいには上がります。スポーツ選手は毎日運動し、激しく血圧が変動しますが、健康状態は悪化するどころか良くなります。筋肉と同じで使わないものは弱くなっていきます。心臓に一定の負荷をかけて血圧が上がったり、下がったりすることは心臓も強くなり健康に良いことなのです。
しかし、体重が増えすぎて血液をより多く巡らせる必要が出てきたり、血管がせまくなって通りが悪くなったりすると、安静時でも強く押し出す必要が出てきます。これが高血圧です。見方を変えると高血圧は血の巡りが悪くなった体の防御反応と考えることもできます。
高血圧の後に襲ってくる脳出血等の重大な病気を予防するために血圧を下げることは重要ですが、血圧を下げたからといって、体にとって血圧が高くないと困る状況は改善されていません。ここに落とし穴があると思っています。薬がなまじ有能なため、薬で下がったからと油断してしまって生活習慣の改善を怠っているケースがあります。
高血圧は病気ではないか?と言われてから100年程だと思いますが、正常値の数値はどんどん下がってきています。様々な研究結果からより正確な適正血圧が分かってきているからです。今なら素人の方でもネットで調べれば120/70は何も問題ないと分かると思います。私はこれこそが、現代の医学の本当の成果だと思います。簡単に測れて健康状態まで把握できる血圧は偉大です。血圧の数値を体の声だと思って、真剣に聞き入れましょう!