みなさん、こんにちは!薬剤師の佐藤です。
11月のテーマは便秘です。国民病と言えるほど患者数が多い便秘症の対策を考えていきます。
まず、便秘にお困りの方の共通認識だと考えていますが、私はなぜ便秘になってしまったのか?を的確に答えられる人は少ないと思います。普段、患者さんとお話ししていても、便秘で一番困っているのは医師でも薬剤師でもなく、患者さん本人ですから、便秘を改善するために色々調べている方が多いです。すでに調べていますので、短い時間の中で少し話す程度では、なかなか的確なアドバイスもできずに終わってしまうことがほとんどです。
例えば、「水分をたくさん摂ると良いですよ」「野菜を食べて食物繊維を摂ると良いですよ」「運動をして腸を動かすと良いですよ」「体を冷やさないようにすると良いですよ」などなど、このようなお話しすると大抵の場合は、「もう気を付けているのだけど、それでは治らない」とおっしゃいます。薬剤師はネットで簡単に拾えるような情報を試しても改善しないから受診しているのだと考える必要があります。
便秘はあらゆる原因が複数絡んでいますので、何か1つ改善しても便秘がすぐに治ることは少ないです。治そうとするのであれば、生活の全てを見直す必要が出てきます。時間をかけて習慣化してしまったものを直すには、それと同じくらいの時間がかかりますので、しばらくの間は薬を併用して便秘を抑えつつ、焦らず地道に便秘を治していくことになると思います。薬剤師からしても、便秘薬はいずれ効かなくなり、最終的に便秘を悪化させますので、できるだけ少ない量で、長くは使いたくないです。薬が効いている間に根本的な解決を目指すことが最善だと思っています。
特に女性は、もともと便秘になりやすい上に、平均寿命を考えると先は長いです。30歳で便秘という方は割といますが、あと約58年もあるのです。薬に頼ってばかりで便秘を改善しないと、80歳、90歳になったとき、全然便が出ず苦しい思いをすることにもなりかねません。いや、あえて言わせてもらいますが、苦しい思いをすることになると思います。将来を見据え便秘は治さないといけない病気なのです。
便秘を改善するために具体的にすることの1つに現状の把握があります。今の便がどうなっているのか?は大事です。固さ、臭いは毎回確認することをおすすめします。良い便は練り歯磨きのように柔らかく、あまり臭くありません。トイレットペーパーで拭いた時に、ほとんど便がつかないくらいが良いです。悪い便はだいたい逆だと思ってください。固すぎるか水のような便。臭く、べちゃっとトイレットペーパーにつきます。良い便、悪い便が出た時の数日間、あるいは前日の食事、運動、体調はどうだったのか?それを知ることが始まりです。原因は人それぞれ違うのですから、まず自分の状態を知ることが改善への一歩になります。
次回から具体的に便秘を改善する方法を考えていきたいと思います。