みなさん、こんにちは。
今回は先日参加した勉強会が患者さんにとって非常に有意義な内容だと思いましたのでご紹介いたします。題名と違って難しい病気に関する話ではないので、お時間のある方は、是非とも読んでいただきたいです!
まず、機能性ディスペプシアは馴染みがない病名だと思いますので簡単に説明します。
機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia)は、胃の消化機能に問題がないにもかかわらず、慢性的な上腹部の不快感や痛みがある状態を指します。この症状は、一般的に癌、胃潰瘍や消化器官の炎症などの特定の身体的な原因が見つからない場合に診断されます。
つまり、主治医が診察、検査等から主たる原因が見つけられないけども、胃や腸の調子が悪いということです。
排除しなければいけない疾患はたくさんありますが、主には癌をしっかり除外してくださいということです。私は結局これに尽きると思いました。なぜなら、癌はどの年代でも命にかかわる病気の代表格であり、現代人が最も恐れる病と言えるからです。癌を除外していくことは、患者さんの精神的ストレスを大きく軽減するので、結果的に機能性ディスペプシアの治療の一環にもなります。
ここで興味深いお話がありました。
患者動向の調査によると、受診するのは症状の期間ではなく、強さだそうです。
あれ?何かちょっと変だな?が長期間続いても受診しない人はしない
一方、痛みが強い人はすぐに受診する人が多い
言われればその通りだと思いました。比較的自覚症状が軽い病気は、本人も慣れてしまうし、歳のせいなのか、体調のせいなのか、考えられる要因がたくさんあるので、つい受診するほどでは・・・と思いがちですよね。私もそうです。
しかし、癌の初期症状はほとんど軽症です。あれ?なんか変だな、歳のせいかな。ちょっと体調が悪いだけかな?みたいな症状であることがほとんどです。
つまり、現代人は最も恐れている病は癌でも、その癌を早く見つけるための検査を怠る傾向にあるということです。気持ちはすごく分かります。実際は、検査で異常なしになる確率が高いです。でも、そうしないと癌の早期発見はできない。癌という病気の難しさを改めて痛感しました。
また、プラセボ効果についてのお話もありました。
プラセボ効果とは、効果の全くない偽薬を飲んで効く確率です。
機能性ディスペプシアはプラセボ効果が有効で約50%には効くそうです。しかし、プラセボ効果=気持ちの問題ではない。だから、胃や腸の不調を精神的な問題と決めるのは早い。大事なのは主治医との信頼関係であるというお話でした。
私の解釈としては、仮に練習内容が全く同じだったとして、
・何の説明もなく、とにかくやれ!と言われて練習する
・これをやればこういう理由で絶対に上手くなる!と説明を受け、納得した上で練習する
この2パターンでは、明らかに後者の方が上達すると思うはずです。こう考えると気持ちで効果が変わることが理解しやすいと思います。これがプラセボ効果の本質で、同じ治療・薬を使っても、主治医を信頼して治療するのと疑って治療するのとでは、効果が変わる。薬剤師としてもすごく心に刺さりました。
結論、信頼できるかかりつけ医をしっかり決めて、何かおかしいことがあったら診てもらう。そうすることで大きな病気の早期発見に繋がるし、病気の治療効果も高くなる。患者さんにとって信頼できるかかりつけ医の存在は、身を守るために極めて大事であると思いました。