こんにちは、ふたば調剤薬局の中山です。
今回、私たちは近年国内シェアを伸ばしているエンレスト(サクビトリルバルサルタン)について学びました。この薬は元々慢性心不全の患者様向けに開発されましたが、2021年9月から高血圧の患者様にも使えるようになりました。
ところで、みなさんご存じの高血圧症ですが、2019年にガイドラインが更新されています。75歳未満の方は130/80 mmHg(家庭内では125/75 mmHg)未満、75歳以上の方は140/90 mmHg(家庭内では135/85 mmHg)未満を目標に治療していくことになりす。以前は合併症などで目標値が変わっていましたが、今は年齢による分類のみになり、シンプルでわかりやすくなりました。皆様も血圧を測る機会がありましたらこの数字を意識してみてください。
これまでの降圧薬との違い
エンレストはバルサルタンという降圧薬を改良して作られました。簡単に説明すると、今までの降圧薬よりも余分なナトリウムを尿中へ排出させる効果や体液量の調節効果が高まっているため、これまでの降圧薬であまり効果がみられなかった食塩(塩化ナトリウム)の摂取量が多い患者様や、朝の血圧が高めの患者様に対して、高い効果が期待できます。今後の高血圧治療における第一選択薬の候補でもあり、今はデータを集めて備えているそうです。
しかし、効果が良いだけであればいいのですが、効き過ぎれば副作用になりますので、医師は慎重に投与の判断をするように注意書きがあります。代表的な副作用には低血圧、めまい、腎障害、脱水などが挙げられます。
以上がエンレストの特徴になります。まだまだ新しい薬ではありますが、症例も増えてきており、適正に使えば非常に有用な降圧薬であることがわかってきました。また、本来の効果である慢性心不全でも十分な効果が認められています。これらの病気を治療されている患者様にとって、また1つ選択肢が増えたことは非常に喜ばしいことだと思います。