みなさんこんにちは!
昨今の最大の関心事は国民の2人に1人が罹患し、3人に1人の死亡原因であるがん治療だと思います。今回はちょっと視点を変えて書いてみました。
夢のような画期的新薬が登場して、今まで治らなかった病気が急に治るというケースが非常に稀であることは、みなさんも共通認識だと思います。特にがんは、もともとが自分自身の細胞であるため根治治療が難しく、長年人類を苦しめてきた病だと思います。
今は検査機器の発展により、早期診断がしやすくなり、手術で取り除いてしまえば根治できるケースは増えました。しかし、抗がん剤治療を必要とするケースとなると、まだまだ延命治療の意味合いが強くなります。さらに言えば、副作用も強い薬が多く、良いイメージがある方はほぼいないように思います。
そんな抗がん剤ですが、ニュースのトピックスに、新薬の登場で末期の肺がん患者の余命が1ヵ月延びました!と書いてあるとします。
みなさんはどう思われますか?
え?たった1ヶ月?
例えば余命6ヵ月が7ヵ月になるだけで治らないわけですよね?
副作用も強くて辛いんですよね?
などなど、色々と思うかもしれません。
近年の医療は凄まじいスピードで進化しています。新薬のみならず、新しい手術法や医療機器の進化もあり、どんどん新しい治療法が登場しています。でも、1つの新薬で起きるがん治療の進化はこのくらいのことが多いです。
ただ、様々な研究者の努力のおかげで、また1つ新薬が出て1ヵ月、新たな治療法が開発されて今度は3ヵ月と少しずつ治療成績が良くなり、これらの治療を組み合わせると以前は平均余命1年だったケースが、平均余命2年になっていたりします。
根治ではなく延命治療だったとしても、1年までくると患者さんが元気で過ごせる期間はだいぶ長くなりますし、ご家族にとっても大きく意味が違ってくると思います。たった1ヵ月の延命だと思っていたものが、積み重なると受けられる恩恵に大きな差が出てきます。
極端な希望的意見ですが、その積み重ねで20年後、30年後に平均余命を20年くらい延ばせたとしたら、ほぼ根治で良くないですか?のレベルになってきます。あくまでも今は延命治療なだけで未来永劫、延命治療とは限りません。
昔で言えば1型糖尿病はインスリンが開発されるまで、たいした治療法がなく死の病であり、余命はかなり短かったです。今でも不治の病ではあるのですが、インスリンによる血糖コントロールが可能になり、1型糖尿病は実質的に克服しました。現在では、1型糖尿病と診断されてすぐに死を連想する人はそういないと思います。
がんにおいてはまだ現実的ではありませんが、近年の進歩のスピードを見ていると、明るい未来があるように思えてきます。がん治療は今まで人類が克服してきた病と同じく、いつか必ず克服できる病であること信じています。