今年もスギ花粉の本番を迎え、花粉症の皆様は苦労されているかと思います。今年は1月が暖かかった影響で飛散が少し早く、筆者も1月半ばから鼻の調子が悪いです。さて、今月の薬局通信のテーマは、過去にも取り上げている花粉症についてです。

花粉症の症状
花粉症の代表的な症状と言えば、まず鼻水、鼻詰まり、眼の痒みでしょう。いずれも花粉によるアレルギー反応であり、自分の意思で止められるものではありません。アレルギーは私たちの身体が本来持っている免疫反応が過剰に出てしまう状態で、過敏症といわれることもあります。
花粉症の鼻水は風邪のような感染症のときに出る所謂青っ鼻ではなく、透明でサラサラしたものが大量に出ます。このサラサラの鼻水が厄介で、すすってもすすってもたれ続けるのでとても大変です。
鼻詰まりはアレルギー反応により、鼻の奥にある粘膜の毛細血管が広がってしまい、腫れてしまうことで起こります。鼻をかんでもかんでも鼻の奥の方がすっきりしないのはこれが原因となります。
眼の痒みも花粉によるアレルギー反応のひとつです。痒み自体がアレルギーの代表的な症状のひとつですが、食物アレルギーや金属アレルギーと比べると花粉によって肌の痒みが出るのはまれです。
他にも、微熱や倦怠感、頭痛といった風邪のような症状が現れることもあります。普通の風邪であれば数日で治まるような症状でも、毎年特定の時期にそれが続くようだと、もしかしたら花粉症かもしれません。


花粉症の治療
現在の花粉症治療は、抗アレルギー薬による対症療法が主流です。他にもスギ花粉症の根治を目指す減感作療法などがありますが、まだまだ浸透しきっていないと感じます。抗アレルギー薬は処方せんがなければ使えない医療用医薬品がまだまだ多いですが、今はドラッグストアなどで買える市販薬もどんどん増えています。抗アレルギー薬は人によって合うものが異なるため、これがおすすめ!と言うことはできませんが、市販薬として売られている薬は昔からある薬で、効果は高いものの副作用(主に眠気)が強いものや、眠気を抑えた代わりに効果が少し弱くなってしまっているものが多い傾向にあります。それに対して、医療用のものはより効果が高く、副作用が抑えられた薬も多く登場しています。前述の通り、人によって合う薬、合わない薬があるため、花粉症で悩まれている方は一度受診することをお勧めします。ただし、昔から市販薬でばっちり抑えられている、という方は無理に薬を変える必要はないと思います。