今年の8月も記録的な暑さでしたね。この調子だと9月も残暑が続きそうですので、引き続き熱中症対策には気をつけたいところです。さて、今月の薬局通信のテーマは、夏の害虫対策第3弾。今回は“害虫の王様”とも言われるゴキブリについてです。真夏の間はあまりの暑さに一時的に動きが鈍ることもありますが、涼しくなると再び活発になってきます。ゴキブリはハエと同じく不衛生な環境を好み、さまざまな病原菌を運ぶことでも知られています。「1匹見たら30匹いると思え」と言われるほど、駆除が難しい害虫でもあります。そこで今回も「発生源を断つ」「近寄らせない」という2つのポイントから、家庭でできる対策を紹介します。

1.発生源を断つ
前述の通り、ゴキブリも不衛生な環境を好むため、ハエと同様の対策が有効です。また、ゴキブリならではの対策もありますので、ぜひ実践してみてください。
生ゴミを放置しない
ゴキブリも主に生ゴミや食べカスをエサとしているため、生ゴミは密閉して速やかに処理しましょう。また、ハエは動物性タンパク質を好みますが、ゴキブリは“玉ねぎの皮”を特に好むそうです。



水気を減らす
ゴキブリはジメジメした環境を好むため、室内の水気や湿気が多いと、長く居着く要因になります。そのため、水回りをこまめに拭き取り、適度に換気して湿気がこもらないようにしましょう。


隠れ家を作らない
ゴキブリは暗くて狭いところも好み、体が平たいのでほんの小さな隙間にも入り込んでしまいます。特に新聞紙や段ボールは保温性が高く、冬でも暖かいため、格好の隠れ家になります。あまり溜め込まずに早めに捨てるようにしましょう。


卵を見逃さない
家でゴキブリを見かけて上手く駆除できた!と思っても安心はできません。ゴキブリのメスは命の危機を感じると数十個の卵が入った“卵鞘”という黒っぽい楕円形の塊を切り離すことがあります。これを見逃すとまたゴキブリが増えてしまうため、成虫を駆除した場合は近くに卵鞘が落ちていないかくまなく探しましょう。


2.近寄らせない
ゴキブリの成虫は蚊やハエのように長距離を飛んでくることはありませんが、成虫・幼虫ともに歩いて侵入してきます。ゴキブリは夜行性のため、夜道を歩いていると、道をサッと横切るのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

侵入させない
隠れ家の項でもお伝えした通り、ゴキブリはほんの小さな隙間からも侵入してきます。玄関・窓・換気扇などの隙間を今一度チェックしましょう。また、玄関が侵入経路になることが多いと言われています。扉を開けた瞬間にサッと入り込んできますので、夜に帰宅されるときは周りにゴキブリがいないか確認してみてください。


寄せ付けない
ハエと同様、生ゴミなどに匂いに寄せられてくるため、早めに密閉してこまめに捨てることは寄せ付けない対策にもなります。市販のゴキブリ忌避スプレーなどを玄関やベランダに吹いておくのも有効です。


駆除する
どうしても侵入されてしまった場合は早急に駆除しましょう。今では殺虫剤や瞬間硬化スプレーなどの便利な駆除グッズが増えていますし、毒餌や捕獲用トラップなどもたくさん売られているため、生活スタイルに合ったものを常備しておくといいでしょう。


夏も終わりに近づいてきていますが、害虫はまだまだ活発に活動しているため、日々のちょっとした工夫で、この秋を快適に過ごせるようにしましょう。