AIのこと
近頃「AIがこう言っているから」と、人の意見が初めから切り捨てられてしまうような場面を経験することがあります。
私は、その考え方に非常に強い嫌悪感を覚えます。
もちろんAIがとても優秀である事は私自身も全く疑う余地はありません。
ただ、AIがどれだけ優秀になったとしても、そのAIから導き出された答えはあくまでも膨大な情報から導き出された一つの見解に過ぎません。
今あなたの目の前にいる人間の積み重ねた経験や感覚、責任、理念まですべてを踏まえて導き出されたものではありません。
AIは、自分の考えを深めるための道具であり、そしてその回答は非常に膨大なデータから導き出されるまさに全知全能のツールなように思われます。
しかし、その答えを「絶対的な正解」として他人に振りかざし、人の意見を封じるために使った瞬間、AIは思考を広げる道具ではなく、思考を止める道具になってしまいます。
私は、AIに答えを求めることはあっても、AIに決定を委ねることは決してしません。
人間同士の対話とは「どちらが正しいか」を決めるためにあるのではなく「なぜそう考えるのか」を相互に理解するためにあるものだと考えるからです。
AIを理由に対話を終わらせる人は、AIを信じているのではありません。
ただ相手との対話から逃げているだけです。
これにより、人間関係において最も大切である、目の前の人間を知ろうとするという思考が閉ざされます。
これは非常に恐ろしい事だと思っています。
人の思考がAIに支配される瞬間です。
今後もAIの進化が進めば進むほど、AIの思考はどんどん精錬さを増していく事と思います。
それにより、対人間において相手の事を知りたいという欲求の醍醐味が失われていってしまうのでは無いかと心配でならないのです。
私は私の思考までAIに奪わせるつもりはありません。