みなさん、こんにちは!薬剤師の佐藤です。
新型コロナウイルスワクチンの接種開始時期がせまるにあたって、ワクチン賛成派、反対派の意見がネットでもよく散見されます。皆さんの関心がかなり高いと思われる、このワクチンについて解説したいと思います。
私は賛成・反対よりも客観的事実を知ってもらうことでワクチンの理解が広まればいいなと思っています。
そこで、ファイザー社・モデルナ社が発売する新型コロナウイルスワクチンについての解説です。自分で調べて納得したい方は、遺伝子ワクチンとかmRNAワクチンと検索すれば出てきますので、色々見てみることをお勧めします。ファイザー ワクチンと検索しても、なかなかワクチンの内容が書いたページにたどり着けません。ネット社会において検索能力の必要性を痛感します。
このmRNAワクチンですが、一言で言って今までにない画期的ワクチンだと思いました。遺伝子解析技術が進歩した今だからこそ開発できたワクチンですね。もともと癌治療の基礎研究を応用したものらしいです。
作用を出来るだけ噛み砕いて説明すると、ウイルスが粘膜に付着してから①細胞内へ侵入②遺伝情報の乗っ取り③ウイルスタンパク質の合成④細胞内でウイルスの増殖⑤拡散のステップがあるとしたら、ワクチンに入っているmRNAに②③だけを行わせて免疫細胞にウイルスの情報を認識させることで、自然免疫に近い免疫を獲得しようとするワクチンです。重症化・発症予防だけでなく、感染予防が期待(確実ではありません)できるということです。それが治験での有効性95%に繋がっているのかもしれません。
未知のワクチンということで不安になる方が多くいると思いますが、少なくともインフルエンザワクチンに代表されるような不活化ワクチンとは全く違うものであり、相当高い有効性が期待できることは知っておいて損はないと思います。不活化ワクチンを筋肉に注射した場合、重症化は低くなっても感染予防効果はあまり期待できませんでした。
今までのワクチンと同様に100万人打てば何人かに重篤なアレルギーが出ることは臨床試験の段階で分かっています。少ない確率ですがリスクはありますので、環境や家族構成等を考慮して、新型コロナにかかるリスク・ワクチンを打つリスクを天秤にかけるしかありません。絶対はない以上、少なくとも納得してから打つべきでしょう。
私は調べていくうちに今回のワクチンが世界的に成功すれば、今後の癌治療薬やワクチンの開発が飛躍的に進歩する可能性があると感じました。人類の英知を結集して作ったワクチンが、新型コロナウイルスのみならず、世界中の人々の治療に応用されることを願っています。