超高齢化社会を迎えようとしている中、国は地域医療構想と地域包括ケアシステムの2つを軸に医療資源の最適化を進めています。
地域医療構想により病床数が適正化され、入院ではなく地域での医療をご希望の患者様には病院のベットサイドで受けられる医療を、在宅でも受けてもらいたいと私たちは考えております。そのためには、薬剤師が地域包括ケアシステムの一翼を担い、他職種とより一層連携していく必要性を感じています。
全力で皆様と連携し、地域医療連携を守り、推進していきます。
私たちにできることは何なりとご相談ください。
医学の進歩を背景として、NICU(新生児特定集中治療室)等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃瘻等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童の数が急増しています。その数は令和3年度時点で全国に在宅だけでも約2万人を超えると推計され、過去10年で約2倍に増加しています。
これだけ小児在宅医療が増えてきている中、薬剤師の役割はご家族の服薬支援だと考えます。
医療的ケア児は経管からの投与や服用回数の多さなどが原因で、ご家族に大きな負担がのしかかってきます。これを少しでも改善するために服薬支援を全力でサポートしていきます。
私たちにできることは何なりとご相談ください。
小児在宅医療は当社としても未経験の分野でしたが、事例も少ない反面、対応できる薬剤師が少ないことも地域の課題でした。
そこで当社も、地域の課題に向き合うために、取り組みをスタートいたしました。
取り組みを開始するにあたり最初に重視したことは、小児在宅医療にかかわる医療機関の方との連携でした。
地域の現状や、患者様のお悩みをうかがって回り、私たちにできることをひとつずつ見つけ、対応していきました。
今では実績をご評価いただき、連携先の医療機関から退院時カンファレンスの出席要請をいただけるようになりました。
医療的ケア児の多くはチューブからの投与となるため、粉砕調剤が基本です。さらにチューブが細いため詰まりやすく、顆粒剤を粉砕して粉末にすることもあります。
特に漢方薬や吸湿性のある薬剤の粉砕には注意が必要で、自宅での薬剤の保管方法が重要になってきます。自宅の環境によっては、湿度が高いと薬剤が数日で固まるケースがあります。そのため、ご家族の環境に合わせて薬剤の保管について説明を行っています。
また、医療的ケア児の多くは複数の薬剤を服用しているため、ご家族が服薬にかかる時間が多くなります。結果、ご家族の負担が重なることで、QOLの低下や精神的ストレスに繋がってしまいます。
ご家族から「薬の数がとても多くて仕分けが大変」との訴えがあった場合には、自宅で管理しやすい状態で提供しています。例えば、氏名・用法・薬品名を印字したり、服用ごとに薬をまとめて服薬カレンダーやBOXにセットしています。
実際に、ご家族から服薬にかかる時間が減るので、すごく助かっているとのお声を頂いております。
ご家族は、受け取る薬の量が多いとネガティブな気持ちになってしまうことがあります。しかし、子供のためにはなくてはならない薬です。
服薬を少しでもポジティブに感じていただけるようにできればと思うと同時に、服薬にかかる時間を減らすことで、ご家族が少しでも有意義な時間を生み出すきっかけになれるよう、日々小児在宅医療と向き合っています。
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