今月のテーマは毎年この時期になると話題になる脱水症(熱中症)予防です。熱中症は暑さが原因で起こる脱水症ですので、同じこととして扱います。基本的に水や電解質がなくならない限り、汗による体温調節で熱中症にはなりません。真夏にマラソンしても適切に補給すれば熱中症にならないのですから、感覚的に納得していただけると思います。
脱水症→熱中症で救急搬送、亡くなる事例が後を絶たず、予防は非常に重要だと考えています。そこで、今回は基本となる水分補給についてです。
最初に重要なポイントからです。食事は重要な水分補給源であること、飲料からの水分補給の基本は水であるということです。
通常、毎日食べる食事からはおよそ1Lの水分を摂取していると言われており、飲料からの推奨摂取量は1日1.2L~1.5Lと言われています。
近年減塩が盛んに叫ばれる中、日本人の塩分摂取量は減っています。しかし、ラーメンや焼肉、寿司等の外食をする場合、塩分摂取量が多くなりすぎて、食事から補給する水分量が減ってしまいます。飲料も同じことで、清涼飲料水やカフェインを含む飲料の場合、実質の水分摂取量が少なくなります。
ここで重要な点は食事や飲料の変化により、必要摂取量が変化するということです。分かりやすく塩分摂取で例えると、海水1Lを飲んだ時に摂取する塩分を体の濃度に薄めるためには1.2Lの水が必要です。つまり、追加で0.2L補給する必要があります。みなさんも経験上知っていると思いますが、海水浴に行って海水を飲んでしまうと、水分は余計に足りなりますので喉が渇きます。
このように食事や飲料の質を意識していないと体は簡単に水不足になってしまいます。そこに、炎天下での作業や冷房を付けないで部屋にいると、体に水の余力がないので自分が思っているより早く脱水症になります。まさか自分がなるとは思っていなかった!これが毎年言われていても脱水症になってしまうカラクリだと考えています。