脱水症予防はやはり水分摂取が一番確実で効果があります。①でも少し触れましたが、2回目は飲料による水分補給の注意点についてです。
まず、水分補給の適切なタイミングは喉が渇く前と言われています。そして、一度にたくさんの水分は吸収できないので、こまめに飲むことです。しかし、そうなると結局いつなの?どれくらいの量なの?私は正しく飲めているの?と疑問が出てくると思います。だいたいの目安としては、水分補給を意識することでトイレが近くなったら早すぎるか摂りすぎていると考えて下さい。多すぎる水は害になりますので、防御反応で体は水を排出しようとします。
飲料の種類ですが、テレビやネット等で脱水症には経口補水液やスポーツドリンクが良い!と言っているのをよく見ます。もちろん間違ってはいないのですが、経口補水液やスポーツドリンクをなぜ勧めているのか?を考えなくてはなりません。それは、水分だけではなく大量の汗で失った塩分等の電解質を補給したり、運動で失ったエネルギーを糖質で補うためです。ということは、汗もかいてない、運動もしていない人は過剰摂取になる恐れがあります。これも目安として、経口補水液やスポーツドリンクを飲んだ後、案外早く喉が渇いていないか?水を飲みたいと思うか?を気にすると良いと思います。電解質や糖質の過剰摂取で薄める水が必要である可能性が高いです。余談ですが、普段からスポーツドリンクばかりを常用してしまったら、糖分の過剰摂取により糖尿病の原因になりかねないことは想像に難くないと思います。そういう意味でも過剰摂取に注意する必要があります。
近年では高齢者が冷房をつけないせいで、いつの間にか脱水症になっているケースが問題になっています。このようなケースの脱水症予防にも経口補水液やスポーツドリンクが適しているとは思いませんので注意が必要です。高齢者の場合、年齢とともに体の水分量が減ることが主な原因で、数日間の間に徐々に水分が減って脱水症になったりします。急激に起きる若年層とは少し違いますので、毎日の適切な食事と水の補給で十分対応できるはずです。 最後に①では言いませんでしたが、アルコールは分解するのに水が必要なため、海水と同じで飲めば飲むほど水分を失っていくので注意が必要です。全く運動していないし、暑くもない正月の宴会で、1日中塩っ辛い食事と飲酒を続けて脱水症になった例があります。
食事や飲料の種類だけでなく、年齢・体重・気温・湿度等、さまざまな要素が絡んで、推奨される水分摂取量は変わります。日頃から適切な水分摂取量をチェックする習慣をつけましょう。