帯状疱疹が夏になりやすいというわけではありませんが、9月のテーマとして帯状疱疹を取り上げます。
なぜかと言うと、夏バテからの回復が遅れ、体調を崩し、秋にかけて発症するケースがあるからです。
原因
帯状疱疹はご存じの方も多いと思いますが、水疱瘡(水痘・帯状疱疹ウイルス)のウイルスが原因です。
普段は神経節に潜んでいるので、体のあらゆる神経に発症する可能性があります。胸・背中・脇腹が多いですが、顔にも起きることがあり、顔は重症化しやすいです。帯状に水泡ができるため、この名前で呼ばれています。
特徴は体の片側で、ズキズキとした神経痛があります。発症してすぐには水泡が出ないことも多いので、専門医でも最初は分からないことがあります。
一般的に50歳以上から加齢による免疫力の低下から発症率が上がります。他にも、風邪や不規則な生活で体調が悪い、疲れている等の理由で、免疫力が落ちて、ウイルスを抑えられなくなると発症しやすくなります。特に高齢者は帯状疱疹後神経痛というやっかいな後遺症が残ることもあるので注意が必要です。少しでも肌にピリピリとした神経痛を感じたら念のため皮膚科へ受診することをおすすめします。早期診断・早期治療が後遺症の確率を下げます。
また、体温は免疫力に非常に重要で、36.5℃付近を目安として、体温が1℃下がれば免疫力は約37%低下し、1℃上がれば5倍になると言われています。体温は非常に重要な健康のバロメーターです。体温が下がれば発症率が上がります。平熱の低い方は日頃から注意が必要です。
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染力は非常に強いですが、強毒性のウイルスではありません。体にたくさんいる常在菌と同じように、こちらの免疫がしっかりしていれば再活性化することなく共存できます。8月に夏バテで体力が落ちた状態で秋に入り、残暑や昼夜の温度差が大きくなったりすると、体が耐えられなくなることがあります。このような時に発症しやすいです。また、秋以降、空気が乾燥してくると風邪が流行ります。風邪をきっかけに発症することも多いので、風邪予防は帯状疱疹予防にもなります。コロナに関係なく、うがい・手洗いはしっかり行いましょう。
食欲の秋と言われるように、冬に備えて栄養価の高い、食べ物がたくさん摂れる時期になりますが、夏バテから早く回復するための食材でもあります。
最近では秋バテという言葉もあります。夏で落ちた体力をしっかり戻すことが重要となります。