高齢者の方は、冬のお風呂で死亡する事故が後を絶たず、非常に注意が必要です。いわゆるヒートショックと呼ばれる現象です。毎年約19000人が亡くなっていると推計されています。脳や心臓に持病を持つ方はさらに注意が必要です。
ヒートショックを簡単に説明すると、激しい温度差に体が耐えられなくなることです。しかし、原理が分かっていれば過度に恐れる必要はありません。温度差を緩やかにすることで危険度を減らすことはできます。
①浴室を温める
②脱衣所も温める
③いきなり熱いお風呂に入らない
これだけ守れば危険はかなり減ると思います。ネット情報では、お風呂の温度が高すぎると血圧が上がってしまうので、38度~40度くらいのお風呂にしましょうと言っているところもあります。ヒートショックを防ぐだけなら、その方法は正しいのだと思うのですが、それでは体が温まりません。肝心のお風呂に入る意味が薄れてしまいます。特に冬は体が冷えるので、お風呂でしっかり温めることが健康に繋がると考えています。
かと言って、高齢者が42度、43度のお風呂にいきなり浸かるのは、危ないと思うのも事実です。そこで③です。ポイントは「いきなり」です。入る前にかけ湯を何度か行い体を慣らします。そして38度~40度くらいのぬるめのお風呂にしておいて、追い炊きをして少しずつ温度を上げれば急激な変化を避けることができます。体が温かくなったと思ったら、長湯せずにそのまま出れば安全性は増すでしょう。
毎年19000人!と言われるとお風呂が非常に危険なもののように感じる人もいると思いますが、そもそも毎年約130万人の方が亡くなっているうちの19000人です。冬に風邪をこじらせて肺炎で亡くなる人の方が圧倒的に多いです。ヒートショックに怯えて冷え対策を怠ると結果的に病気になりやすくなってしまいます。悪いことを避けようとするあまり、良いことを怠っては本末転倒になりかねません。お風呂と上手に付き合い、今年も健康を保って冬を乗り切りましょう!