骨粗鬆症の危険因子として思い浮かぶものは何でしょうか?
カルシウムや女性ホルモンが思いつく人が多いと思います。正解です。もちろん大切です。
しかし、要因は色々あります。今回は皆さんが見落としがちな危険因子について『喫煙』を取り上げます。
なぜ喫煙が骨粗鬆症に悪影響を及ぼすのでしょうか?それは末梢の毛細血管の血流が悪くなるからです。それが骨に何の影響が?と思うかもしれません。
まず骨について説明します。骨も血管から栄養や老廃物をやり取りしています。少し専門的なお話をすると、骨は骨形成(骨を作る)と骨吸収(骨を壊す)を繰り返しており、皮膚などと同じように常に新しい骨に生まれ変わっています。そのバランスが崩れて骨がもろくなった状態が骨粗鬆症です。バランスが崩れる要因として代表的なのがカルシウムや女性ホルモン、ビタミンDになります。
しかし、骨の中には血管が通っていませんので、周りの毛細血管からやり取りをしています。表面積は体積よりも伸び率が悪いです。大きければ大きい物体ほど、体積に対する表面積の割合は低下します。骨は体の中でもかなり大きい物体になります。それが周りの毛細血管からしかやり取りができないので、毛細血管の血流の影響を大きく受けます。ニコチンは血管を収縮させる効果が高いです。これが喫煙の悪影響の理由です。
ヘビースモーカーともなると若い男性でも骨粗鬆症になることがあります。