
痔が悪化する原因は色々ありますが、便秘・下痢・冷えにより悪化する方が多いと感じます。
その中でも特に便秘です。なぜ便秘だと痔になりやすいのか?痔が悪化しやすいのか?をお話しします。
そもそも便はアルカリ性で肛門周辺の粘膜に炎症が起きやすいです。それが便秘で長時間粘膜に滞在することで炎症が起きやすくなります。便秘により便が固くなり、出血することもあります。傷ついた粘膜は炎症が起きますし、そこから菌が入り悪化する原因になります。
私自身が近年、この要因は大きいのではないか?と考えていることに、便座の洋式化があります。洋式は楽なので排便の長時間化に繋がります。以前は新聞、今はスマホがあり、ついつい見てしまって、長く便座に座ってしまったなんてことありませんか?私は以前テレビで排便を3分以内で済ませれば、痔になることはないと言っていたことを覚えています。絶対ではないにしてもおおよそ間違ってないと思います。そのくらい排便時に肛門にかかる負荷は大きいのです。
なぜ日本人が和式トイレだったのか?これは偶然ではないと考えています。主食の玄米は肉よりも消化に時間がかかるため、日本人の腸は欧米人と比べて長いです。さらに、小柄で筋肉が少ないので、排便時に少ない力で便を出す必要があります。そのため最も力が少なく排便できる和式スタイルになったと考えています。他にも言えますが、文化は偶然ではなく、その民族に合わせた必然だと考えています。欧米人には洋式がベストだが、日本人にはそうではないということです。
和式トイレに戻したら痔が良くなった例もあります。洋式トイレでも排便しやすくするには、和式に近い姿勢にすることです。前かがみになって、ひじを太ももの上に乗せ、かかとを軽く上げます。もしくは、足元に踏み台を置き、体育座りのような姿勢になるようにしましょう。そうすることで直腸肛門角がひろがり、便が通りやすくなります。
痔の方はシャワートイレがないとダメと言われる方が多いです。確かに肛門周辺をきれいにするのに役立ちます。トイレットペーパーでは負担がかかります。しかし、考えてみてください。トイレットペーパーすらなかった時代はどうしていたのでしょうか?疑問に思いませんか?そのヒントは動物にあります。犬や猫を飼っている方はイメージしやすいと思います。普段はおしりに便はつきませんよね?実は人間もそうだったのです。それが、食事の欧米化により便の質が悪化しました。ここにも、食事≒生活習慣の改善がかかわってきます。
きれいな便を出すことは痔の予防、痔の治療に大いに役立ちます。