

今回は早稲田大学と国立研究開法人の論文をご紹介します。こちらは衝撃的な研究結果だと思っています。
よく噛んで食べなさい!と言われたら、当然食べ物=固体だと思いますよね?
前回のように固体の食べ物については、噛む回数や飲み込むまでの時間がエネルギー消費に大きく影響することが分かってきました。(未だにエネルギー消費が上がるメカニズムは不明らしいです。)
この論文は液状でも、固体と同様の現象が起きるのか調べた研究です。
①飲料20mLを30秒毎に1回飲み込むことを10回繰り返す
②飲料20mLを30秒間口に含んだ後に飲み込むことを10回繰り返す
③飲料20mLを30秒間口に含んでいる間、1秒に1回噛んでから飲み込むことを10回繰り返す
①②③の食後90分での食事誘発性熱生産量(エネルギー消費量)を調べた結果、①3.4kcal、②5.6kcal、③7.4kcalと有意に高い値になったそうです。
つまり、ジュースを30秒毎に飲むだけより、30秒口に含んで味わうだけで1.5倍以上、さらに液体を30回噛めば2倍以上のエネルギー消費量になるということです。まさか、液体を噛んでも効果があるとは思ってもみませんでした。
噛みごたえがどうこう言っている場合ではないですね。とにかく口に入れる物は何でも噛まないと損ということがはっきりしました。本当に驚きです。
余談ではありますが、よく噛むことの効果は肥満の防止だけでなく、虫歯・歯周病や口臭予防、学力・記憶力の向上、認知症の予防、がんの予防等、様々な効果があることが分かってきています。
噛むことがいかに健康にいい影響を与えるのか、しっかり理解して、日々の食事で少しでも気にして余分に1回噛む。この積み重ねが1年、5年、10年になると大きな力になっていきます。
食事の改善は、食べる物・量ではなく、まず、よく噛むことから始めてみませんか?
頑張って噛みましょう!