今回のテーマは片頭痛です。台風のシーズンになり、気圧の変化から片頭痛に悩まされる人もいると思います。どうやったら片頭痛が治るのか?を考察していきたいと思います。ご参考になれば幸いです。
まず、ネットで簡単に拾える情報として以下のようなことがあります。
片頭痛の原因は、すべての要因が明らかにされておらず、対処療法になっているのが現状です。おそらく原因と考えられているのが、
- 気候や気圧の変化
- 人ごみなどの環境の変化
- ストレス(睡眠不足も含む)
- 飲酒
- 生理などの女性ホルモンの乱れ(片頭痛は女性に多いことが分かっています。)
- 長時間のブルーライト(パソコン・スマホ)
- 遺伝
という内容です。
これらを改善していくと片頭痛は治るのでしょうか?
結論から言いますと、本当に実行できた場合、おそらく治ります。ただ、本当に実行できるのか?ここが大問題です。
私が薬剤師として片頭痛治療薬を服薬指導した経験からすると、分かっているけど、仕事でやめられない等、できないから問題になっていることがほとんどです。それで、どんどん悪化して市販の薬では効かなくなり、病院へ受診という流れです。
では、現実問題として有効な対処法はないのでしょうか?
そんなことはありません。現実的な対処法はあります。
片頭痛の原因として考えられる要因はネット情報で間違ってないと思います。しかし、主な原因がどれか?そこが分からないので問題なのです。私の経験上、片頭痛の原因のほとんどが姿勢で、次に女性(姿勢が悪くなりやすいという意味)だと考えています。他の原因を否定しているのではありません。しかし、現代人は、姿勢による影響があまりにも大きいということです。
片頭痛治療薬を飲む患者さんは一般的に言うと重症者です。感覚的にも明らかに女性が多いです。患者さんを多く見てきたことから気づいた特徴があります。それは、男女関係なく、肩こりが酷く、首がストレートネックになっているという点です。
本来、横から見たときに耳と肩の位置はまっすぐですが、パッと見ただけで頭が前に出ていると思う患者さんがほとんどです。
なぜ女性に多いかは、頭の重さを支える筋肉が男性に比べて弱いからだと考えています。頭の重さは男女で大きく変わりがない一方、筋力は明らかに違いがあります。相対的に女性は頭の重さが肩や首に与える影響が大きくなります。
少し話はそれますが、他の原因を省いた理由の1つに、昔の人も片頭痛はあったということが挙げられます。有名な話ですが、5千円札で有名な樋口一葉は片頭痛に悩まされ続けたと言われています。おそらく執筆や読書で下を向き続けたからだと考えています。人ごみは今よりない、電気がないので今ほど夜更かしもできない、家事が大変で今より運動不足ではない、そもそもブルーライトはない、庶民が今ほどお酒を飲めない、こういう時代でも共通する原因は、姿勢と女性です。
※気圧や気候の変化は共通していますが、気圧や気候は改善の方法がないこと、全身に負担がかかることが原因であり、片頭痛だけでなくあらゆる疾患に影響するので省きました。
有効な対処法としては、
- スマホを操作するときに顔を下に向けて長時間触っている場合、できる限り下に向く角度を水平にする。椅子に座って机の上でスマホを操作するだけでも違います。
- 仕事でパソコンをずっと使う場合は、集中すると前傾姿勢(キーボード・マウスのせいもあります。)になりがちなので、椅子(いわゆるゲーミングチェアです。)をきちんとしたものに変える。
- ①~②をゼロにするのは不可能なので、肩や首のストレッチだけでなく、足のストレッチもしっかり行う。(太ももは肩・首と連動しているので大事です。)
私自身、普段は全く頭痛がないのですが、長時間ゲームをすると、集中して姿勢が前のめりになり、体も力むせいだと思いますが、酷い頭痛になります。ゲームをやらなくても、長時間下を向いてスマホ操作をしていれば頭痛が起きる人が多いと思います。仕事のせいでと言う患者さんは下を向く仕事やパソコン操作をメインとしている職に就いていることが多いです。また、仕事以外でも勉強時間の多い学生や読書や裁縫等が趣味の方でも起きることがあります。これも長時間下を向くからです。
みなさんが考えるよりもずっと頭を下に向けるということは、首や肩に大きな負担をかけていて、首の骨が歪む(ストレートネック)ほどの影響があり、ストレートネックになると背骨がS字にならなくなります。弾力もなくなり、クッション機能が失われた背骨の影響は全身に及び、健康な体は損なわれてしまいます。その影響で骨盤が歪むことも多いです。その危険信号として脳が頭痛を起こして教えていると考えています。