みなさん、こんにちは!
今回は、私が学びのある体験をしましたので、ご紹介したいと思います。
事の発端は、病院で抗がん剤治療をやっている知り合いの薬剤師との会話です。
![](https://nagase-group.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/medical_careboushi_happy.png)
がん患者さんは肌がきれいな人が多いと言うのです。え?そうなの?なんで?と思って話を聞くと、老廃物を外に出す力が弱いから表面の肌はきれいなのではないか?と言うのです。確かに尿や便だけでなく、肌からも老廃物は出ているので、全く的外れな意見ではないように思いました。
そこでネットで検索してみると、アトピーとがんの関係が研究されていることを知りました。視点は少し違いますが、肌の状態が悪い人はがんになりにくいのではないか?ということだと思うので、発想は似ていると思います。
アトピーの原因にアレルギーが関係しているのはほぼ間違いないと思います。そして、アレルギーは過剰な免疫が原因の1つと言われています。がんは免疫の低下が一因と言われていますので、アレルギーはがんを抑えるのにプラスに働いているのではないか?という理屈らしいです。同じアレルギー性の疾患である喘息や花粉症との関係を調べた研究もありました。
![](https://nagase-group.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/medical_virus_koutai.png)
最初の話とは理屈は違いますが、こちらも可能性として十分にあり得ると思いました。しかし、結論としては、がんが増えるデータもあれば減るデータもあり、がんの種類によっても違うので、明確な結論が出ていませんでした。複雑な要因が絡む疾患の1つの関係性を調べる研究は非常に難しいので、これは当然のことだと思います。
では、結論が出てないのになぜ取り上げたか?です。
知り合いの薬剤師の感覚に根拠はありませんが、世界でも同じようなことを思っている人がいた。それだけなら、それはあなたの感想ですよね?と一緒です。
しかし、日々の診療の中で疑問に思ったことを、個人の経験や感覚だけで終わらせずに実際に研究して検証する人がいる。そしてデータを積み重ねていく。これこそがエビデンス(科学的根拠)に基づく医療の本質だと実感したので、ご紹介させていただきました。
アトピー、喘息、花粉症は基本的にマイナスしかないと思われていた疾患だと思うので、もしかしたらがんの発生を抑えるかもしれませんよ?と言われるだけでも精神的にプラスになると思います。ある特定のがんだけでもいいので、罹患率が減るという結論になってほしいと願うばかりです。