2024年も終わり、いよいよ2025年となりました。いいことも悪いことも色々あったかと思いますが、今年も健康に過ごせるよう頑張っていきましょう。お正月には色々なものを食べて、飲んで、大いに楽しまれた方も多いと思いますが、そんなときは胃腸に負担がかかってしまっているため、休ませてあげることも重要です。ということで、今月の薬局通信のテーマは、「七草粥」です。
七草粥とは?
七草粥を聞いたことがない方はほとんどいないかと思いますが、改めて紹介させていただきます。七草粥は人日の節句(1月7日、七草の節句とも)に食べられる塩味のお粥の一種で、具材として「春の七草:せり・なずな・ごぎょう(ハハコグサ)・はこべら(ハコベ)・ほとけのざ(コオニタビラコ)・すずな(カブ)・すずしろ(ダイコン)」が一般的に使われますが、地域によって多少異なる場合もあります。七草粥の由来は、6世紀ごろの中国だと言われており、平安時代ごろに日本へ伝わり、当時あった日本の風習と混ざり合って現在の形になったとされています。大衆に広まったのは江戸時代に人日の節句が幕府によって定められてからだそうです。現在では野草を摘みに行くことは中々ありませんが、スーパーなどで七草がセット売りされていることもありますので、手軽に済ませてしまうのもいいかもしれません。
健康効果
元々七草粥は具材の七草が雪の下から芽吹く様子から邪気を祓うとされており、無病息災を祈願しつつ、正月の暴飲暴食で弱った胃腸を休めるとされていました。では実際七草にはどのような効果があるのでしょうか?ひとつひとつみていきたいと思います。
・せり
ビタミンA、C、カルシウム、リン、カリウムが豊富。
胃を丈夫にする効果や解熱効果、利尿作用、整腸作用、食欲増進、血圧降下作用などが期待できます。
・なずな
ビタミンKが豊富で骨粗鬆症の改善効果も期待できます。
その他には解毒作用や利尿作用、止血作用、胃腸障害やむくみなどにも。
・ごぎょう
特別豊富な栄養素はないものの、咳や痰、喉の痛みなどに効果があるそうです。
・はこべら
ビタミンB群、C、カルシウム、カリウム、カロテノイド、フラボノイド、サポニンが豊富。
昔から腹痛薬としても使用されており、他には胃炎や歯槽膿漏などへの効果も期待できます。
・ほとけのざ
こちらも目立って豊富な栄養素はありませんが、健胃作用、歯痛や食欲増進などに効果があるとされています。
・すずな
ビタミンA、B1、B2、C、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富。
葉っぱと根っこ両方に栄養素があるので、一緒に食べるとよいそうです。
整腸作用、消化促進、しもやけ、そばかすなどへの効果が期待できます。
・すずしろ
ビタミンA、C、食物繊維、ジアスターゼ、アミラーゼ、フラボノイドが豊富。
消化不良や二日酔い、風邪などに効果があるそうです。
いかがでしたか?それぞれの七草を見ることで、正月に弱った胃腸や体力を回復させる効果は存外理にかなっていることがわかるかと思います。七草粥自体はあくまで正月明けの縁起物ですが、日常生活に取り入れてもいいかもしれませんね。