こんにちは。薬剤師のKです。
薬局でよくいただくご質問のひとつが
「ジェネリックって本当に大丈夫なの?」「先発品とどう違うの?」というもの。
今回は、先発品とジェネリック医薬品の違いや選ぶときのポイント、そして最近の価格改定の動きについて、薬剤師の視点からわかりやすくご紹介します。

先発品とジェネリックの違いとは?
「先発医薬品」は、新しい有効成分を開発し、長年の研究や臨床試験を経て厚生労働省に認められた「元祖」のお薬です。
開発には10年以上、数百億円もの費用がかかることもあります。
一方、「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は、先発品の特許が切れたあとに登場する、同じ有効成分を使った薬です。
厚生労働省の厳しい基準に基づいて「効果や安全性が先発品と同等である」と認められたものだけが、ジェネリック医薬品として認可されます。

ジェネリックはなぜ安いの?
ジェネリックは、すでに効果や安全性が確立された有効成分をもとに作るため、開発にかかる時間やコストが大幅に抑えられます。
その結果、価格も先発品に比べて3~7割程度に抑えられることが多く、家計にやさしい選択肢として注目されています。
また、国としても医療費を抑える目的から、ジェネリック医薬品の使用を積極的に推進しています。
「ジェネリックって本当に大丈夫?」という疑問にお答えします
近年、一部のジェネリック医薬品メーカーが行政指導を受けたり、製造の不備が報道されたことにより、不安を感じた方も多いのではないでしょうか。
たしかに、2021年以降、複数の製薬会社が製造管理の問題で出荷停止や改善命令を受けた事例がありました。
しかし、これらは厚生労働省が定期的な監視や調査を行っているからこそ明らかになった問題であり、問題のある製品は出荷停止・回収され、市場には出回らないよう管理されています。
現在は、国による指導体制もより厳しくなり、製薬会社の品質管理は強化されています。
私たち薬局でも、メーカーの出荷情報や行政処分などの情報を常に確認し、安心してご利用いただけるお薬を選定しています。
「この薬、大丈夫かな?」と思ったときは、どうぞ遠慮なくお声がけください。

どんな人が注意すべき?
ジェネリックは基本的に安全で効果も先発品と同じですが、以下のようなケースでは、慎重な判断が必要です。
- アレルギー体質の方:
ジェネリックには、錠剤の色や味を調整するための添加物が異なる場合があります。体に合わないと感じたらすぐにご相談ください。 - 高齢者や小児の方:
錠剤の大きさや口の中での溶け方、味が違うことがあるため、飲みづらさを感じることもあります。 - 長年先発品を使っている方:
お薬の変更によって体調に影響が出ることもあります。無理に変更せず、医師や薬剤師と相談しながら決めましょう。

最近の制度変更について|選定療養ってなに?
2024年からは「選定療養(せんていりょうよう)」という制度が始まりました。
これは、一部の先発品を使いたい場合に、追加の自己負担が発生する仕組みです。
例えば、医師が「ジェネリックでも大丈夫」と判断した薬を、患者さんがあえて先発品を希望する場合、一部が保険対象外となる可能性があります。
こうした制度の背景には、「国全体の医療費を抑える」という目的があります。
薬局では、制度についてもわかりやすくご説明し、費用面の不安についても事前にしっかりお伝えしています。

薬剤師からのひとこと
薬を選ぶときに一番大切なのは、その人の体質や状況に合っているかどうかです。
価格が安いからといって無理にジェネリックに変える必要はありませんし、逆に先発品が必ずしもベストというわけでもありません。
私たち薬剤師は、患者さん一人ひとりの状態やご希望に合わせて、最適なお薬選びをサポートします。
どんなことでも、どうぞ安心してご相談ください。
まとめ
- 先発品とジェネリックは、有効成分は同じですが、添加物や形状が異なることがあります。
- ジェネリックは、国の基準を満たした「効果・安全性が同等」と認められた薬です。
- 一部製薬会社に行政処分があった事例はありますが、現在は国と薬局の監視体制が強化されています。
- 選定療養制度により、一部先発品には追加負担が発生する可能性も。
- 不安があれば、薬剤師に相談しながら自分に合った薬を選びましょう。
ながせ薬局、海薬局では、ジェネリック医薬品や制度変更に関するご相談をいつでも受け付けております。体に合うお薬を一緒に見つけていきましょう。お気軽にスタッフまでお声かけください。
